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  2013.8.19 競技結果更新

一日の流れ

 毎朝6時頃から準備を開始しますが、上昇気流が出来上がるまでは通常の訓練飛行を行います。上昇気流がないと機体は滞空することができず、離陸しても5分程度で滑走路に帰って来てしまうので、競技を行うことができないためです。そして、太陽の日差し等によって上昇気流が出始めましたら、さあいよいよ競技飛行のスタートです。

 右の図がおおよそのスケジュールです。その日の気象条件によって、上昇気流の出来るタイミングは変わってきますが、基本的には地面が暖められてくる10時頃から競技開始となります。そこから17時頃まで競技が行われます。

 このスケジュールは第1RWのもので、隣接の第2RWでは一日を通して各校の1年生を中心とした訓練飛行を行います。第1RWでは上級生が競技を行い、第2RWでは下級生が、上級生がいない中で他大学の同期と協力し合い、訓練を行う。競技のみではなく、下級生の自主性を育み、親睦を深めることが出来るこの方式は、原田杯の大きな特色です。

        

得点方法について

 原田杯で競う得点には大きく分けて時間点、距離点の2種類があります。時間点はその機体が出発して着陸するまでの滞空している時間の長さ、距離点は規定された周回コースをクリアする回数に応じて加算されます。持っている高度を維持してひとところに留まり時間を稼ぐか、獲得した高度を少しずつ使いながら目的地に向かって周回を狙うか、この辺りの判断や戦略を練るのも原田杯の醍醐味です。

 右の図は妻沼滑空場と、規定コースを描いた地図です。実線で記されたAコースが最もポピュラーな周回コースで、単座で飛行するライセンサーは基本的にこちらを周回します。しかし、この原田杯には様々な種類の機体が出場します。機体によって特性は異なり、遠くに行くのが得意な機体、弱い上昇気流でも上がれる機体など様々です。そのため単座機のうち、特に距離特性に優れた機体については、Aコースよりも距離の長いA'コースを周回することとなっています。本年度の出場機体でいうと、青山のDiscus-bや、日本大学のLS-8などがA'コースを回る機体です。もう一つ、点線で記されたBコースについては、学生と教官が同乗し競技に参加する機体が回るコースです。

 時間点、距離点ともに得点は指数関数的に増加します。連続するほど高得点を獲得することができるため、戦況がある日を境にひっくり返ってしまうことも有り得ます。

 フライトしている間に風の向きが変わったり、急に上昇気流がなくなったりすることもあります。フライト中はサーマルのことばかりでなく、何よりも対空警戒や姿勢、高度の確認、滑走路の状況把握など、パイロットは安全のために様々な判断を的確に処理しなければなりません。パイロット当人のみでなく、地上にいる仲間も常に機体の場所、高度の確認をすることでパイロットのより安全な飛行をサポートします。もし上手くサーマルを掴むことができず、降りてきてしまってもすぐに再度出発することが出来るよう、地上は大忙しです。技術や知識そしてチームワーク等の総合能力が試されており、これらをこなしてこそ、勝利を掴み取る事が出来るのです。